未成年者が法律行為をするには、親の同意が必要です(民法5条1項)。
あなたは、お子さんの携帯電話の利用限度額を自分でコントロールできるから、お子さんが契約することに同意したわけです。
ところが、いったん同意してしまうと、お子さんが一人で利用限度額を変更できてしまう仕組みになっていた。
これについて、あなたは同意したつもりはなく、あなたに動機の錯誤があったということになります。
もしあなたが、上限は自分で管理でき、無断で変更されないことをお店に確認した上、お子さんの契約に同意したのであれば、あなたは、増額変更の部分に限られますが、同意の錯誤無効(同法95条本文)を主張し、契約を取り消すと主張することができます(同法5条2項、120条1項)。
その結果、上限を超えた部分の料金の支払いについては、その義務がなくなります。
ただ実際、お子さんは上限を超えて携帯電話を使用しているわけです。
そこで、法律上は、お子さんに「現に利益を受けている限度」において、不当利得の返還義務が生じるとされています(同法121条1項但書)。
「現に利益を受けている限度」(現存利益といいます。)とは分かりづらいのですが、例えば、上限を超える部分の使用が、お子さんの浪費によるものだとすれば、現存利益はないと考えますので、お子さんに返還義務は生じません。
一方、お子さんの生活にとって必要な使用が含まれているのであれば、その限りで現存利益があると考え、返還義務が生じることとなります。